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『写真の撮り方ガイド』番外編 vol.1

『写真の撮り方ガイド』に書ききれなかったこと

先日、日本政策金融公庫さんから『写真の撮り方ガイド(飲食店編)』が発刊されました。
こちら、過去の文献にはない貴重なデータが記載されていますし、十分読み応えがあると思うのですが、冊子自体は全20ページ、表紙・裏表紙を抜くと18ページしかありません。

なので、18ページの中に書ききれなかったこと、そして、もしスペースがあったのなら書き記したかったことはたくさんあります。

それらが私の頭の中にだけあっても意味がないので、弊社のブログに書き記しておきたいと思います。

かなりマニアックな指標ですが、もし写真と売上の相関関係に興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。

ただし、引用の際には
(出典)日本政策金融公庫、フォト・パートナーズ株式会社
の表示を必ずお願い致します。

「美味しそう!」な写真を撮らなければいけない理由

ただし、今日だけは、いったんデータに関係のない個人的な意見を書きます。

それは「なぜ飲食店の方々は美味しそうな写真を撮らなければいけないのか?」という哲学的な問いについてです。

冊子の中では「美味しそう!」に撮れば売上が上がります!と書いていますし、過去のデータ検証から、それ自体は疑いようのない事実だと思います。

しかし、売上という【結果】とは別に、【義務】として、飲食業の方は「美味しそうな写真」を撮らなければいけないと私は思っています。

なぜコーヒー牛乳をドブに捨ててはいけないか

私が高校時代に悩んだ問いがあります。

それは「なぜコーヒー牛乳をドブに捨ててはいけないか?」という問いです。

というのも、私が120円を出してコーヒー牛乳を買いました。その時点でコーヒー牛乳の所有権は私のものですから、飲もうが捨てようが、何をしても許されるはずです。

しかし、買った直後のコーヒー牛乳をドブに流した場合、この胸に沸き起こる違和感、これはいったい何なんだ?と、答えが出ずに悩んだことがあります。

そこで、同級生に「なんで、自分のお金で買ったコーヒー牛乳をドブに捨ててはいけないか、わかる?」と尋ねたところ、

「生産的じゃないからじゃん」

と即答され、ああ、そうか、と、納得した記憶があります。

しかし、彼の答えに当時100%納得したのか?といえば、98%くらいだったと思います。

コーヒー牛乳をドブに捨ててはいけない理由

しかし、今なら100%納得できる答えが言えます。

それは、

「その行動が誰も幸せにしていないから」

です。

言葉を変えただけ、といえば変えただけですが、こちらがより正確な答えだと思います。

経済活動というのは、100円の原価のものを120円で売って、20円の利益を生むためのものだけじゃない。その120円で120円以上の幸せを生み出すから経済活動なのです。
(このケースだと、真夏の空の下、汗だくでキンキンに冷えたコーヒー牛乳を飲むときの幸せは120円以上の価値がある、ということ)

つまり、飲食業に限らず、この世のすべての事業者さんは「他の誰かを幸せにする」、「この世の幸せの総量を上げる」、そのために事業をしている、ということです。

そして逆に言えば、「この世の幸せの総量を上げていないのであれば、その事業が存在する必要性はない」ということになります。

そう考えていくと、飲食業は「料理を通して他の誰かを幸せにする義務がある」と言えます。

つまらないものですが…

少し話は反れますが、マーケティングの名著に岩崎邦彦先生の『小が大を超えるマーケティングの法則』があります。

この著作の中に、『口コミが消費者にもたらす影響』という箇所(p.210)があります。

大学生を被験者に、「ある地域の和菓子組合から、饅頭の商品評価の依頼があった」という名目で、饅頭の試食をしてもらいます。

その際、無作為に被験者を2グループに分け、第1のグループには「この饅頭は今、地元の若者の間で人気があるらしいよ」と話し、第2のグループには「この饅頭は、地元の若者の間では評判が良くないらしいよ」とさりげなく話すのです。

すると、以下のような結果になります。

岩崎邦彦先生

 

端的に言えば「評判が良いよ!」と言われると、人はそれを美味しく感じ、「評判良くないよ!」と言われれば、人はそれを美味しくなく感じる、ということです。

そして、岩崎先生は、日本の文化として「つまらないものですが…」とお土産を渡す文化に対して、それが奥ゆかしいとか、相手を立てるためとか、そういう情緒的な話を抜いて、マーケティング的に考えるなら、「これは素晴らしい」と言ってお土産を渡したほうが相手のためであると結びます。

結論

上記のデータは、

食べる前に、写真を見て「美味しそう!!」と思って食べ始めるのと、写真を見て「不味そうだなぁ…」と思って食べ始めるのでは、味覚に影響がある、と言い換えてもいいと思います。

つまり、何が言いたいかというと、飲食業が「美味しくなさそう」に写真を撮ることは、食べる側の味覚に悪影響を与える、ということです。

そして、そのことは世の中の幸せの総量を下げる行為である、ということを言いたいのです。

もう、「美味しそう!」に撮ることで売上が上がります!というレベルの話ではない。

世の中の幸せの総量のレベルの話です。

人はなぜ働くのか?というレベルの話です。

世の中の幸せの総量を上げるために、飲食業の方は自分たちの提供するお料理を美味しそうに撮る義務があると私は考えます。

という、私の意見は置いておいて…

20ページの冊子では、このような個人的な意見は極力排除し「私がそう思ったんじゃないんです、データ上そうなっているからそうした方がいいですよ」という内容で構成されています。

本来、人に何かを話すときはそうあるべきだと思うので、個人的な意見は今回の「vol.1」のみにして、以後は冊子の本旨である「料理写真における数値データの紹介」のみにフォーカスし文章を書いていこうと思います。

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