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「写真」が高単価商品の購買に与える影響

データ分析 回帰分析 コンジョイント分析

※注意
①記事は『売上をグンとアップさせる写真の全ノウハウ』を読了した方のために執筆している。
書籍と同じ内容を記載しても、すでに書籍を読んだ方には冗長になるため、大前提以外の部分は割愛し、第3章(本書P117)の補足資料のために書かれている。
②プロモーションに関する学術論文の参考になればと思い執筆したものだが、学術論文の引用に耐えられるレベルのものではない。あくまで「このような発想でプロモーションのおける写真の可能性を模索した」一例として示すものであり、「この部分の考え方が間違っている」「このように考えればより正確な数値になるのではないか?」という議論の発端になることを企図して書かれたものである。

第1章 序論

第1節 研究背景と問題認識

第1項 写真を取り巻く外部環境

経済産業省の調査によると、国内ECの市場規模は年々増加し、2021年は対前年比で約1兆 4,000億円増加し20兆6,950億円に達した。ECサイトにおいて写真なしで商品を販売することは難しいため写真の重要性が高まっている。

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また、日本政策金融公庫の調査によると、本来予定していなかった料理を注文したくなるポイントとして、約71%の方が「食欲をそそる写真」と答えており、リアル店舗においても写真の撮り方が非常に重要であることがわかる。

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第2項 消費者行動モデルと写真

1924年にアメリカ人のサミュエル・R・Hは消費者の購買に至るまでの行動は、【Attention(注意)→Interest(関心)→Desire(欲求)→Memory(記憶)→Action(購買)】の順に行われると主張し、AIDMA(アイドマ)モデルを提唱した。

第3項 写真の数値化

そのような中、AIDMAという消費行動の中で「写真がどのような役割を果たせるのか?」という問いに関して、明確な答えを出した研究は過去になかった。そこで筆者は日本政策金融公庫発行『写真の撮り方ガイド −飲食店編−』の監修などを通じて、「写真の数値化」を行ってきた。

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https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/phototech_guide_restaurant.pdf

「光の方向」が食欲に与える影響(『写真の撮り方ガイド −飲食店編−』 8ページ)

このような調査により、人がどのような写真に目線を引かれ、どのような写真に食欲がそそられるのか、主観ではなく数字という客観データで証明することに関しては一定の成果を得ることができた。

しかし、このような数値化はAIDMAモデルにおける、Attention(注意)、Interest(関心)、Desire(欲求)、Memory(記憶)に関する部分に過ぎない。売上が計上されるのは、当然【Action(購買)】である。
中小事業者が事業を行う目的は当然売上であり、AIDMまでを数値化するだけでは不十分であると考える。

第2節 商品の3パターン

マーケティング的には商品には大きく3つのパターンがあると言われている。

①牛丼(400円)的商品
:最寄品(もよりひん)と呼ばれる商品で、特に大きなこだわりはなく、何気なく買ってしまう商品を指す。ちょっと甘いものが食べたいときにコンビニで買うお菓子みたいなイメージ。

②高級ステーキ丼(3,000円)的商品
:買回品(かいまわりひん)と呼ばれる商品で、高級時計のような商品を指す。コンビニで買うお菓子は、値段やパッケージで突発的に購買を決定することがあっても、高級時計を突発的に購買決定する消費者は少ない。

③高級鉄板焼きコース(20,000円)的商品
:専門品(せんもんひん)と呼ばれる商品で、数千万円する高級車のような商品を指す。この商品を好む人は世の中でも少数のグループで、高級時計以上に時間を費やして購買を決定する。

第3節 商品の3パターンと写真が購買に与える影響力の比較

[第1節 第3項]で写真はAIDMAにおけるAtteniton(注意)からMemory(記憶)に与える影響について数値化したと述べたが、消費者はすべての商品を一瞬で「食べてみたい!」「これが欲しい!」と考えて購入しているわけではない。
商品の3パターンの中で、①の最寄品に関しては、シズル感あふれる牛丼(400円)の写真を見て、「美味しそう!今日は牛丼にしよう!」と思うこと(AttentionからActionまで一瞬で至る)はあり得る。
しかし、買回り品に該当する3,000円の高級ステーキ丼の写真を見て「よし!これにしよう」と一瞬で決定することは少なく、ましてや専門品に該当する20,000円の高級鉄板焼きコースを、ランチで突発的に注文はしない。
もちろん、3,000円の高級ステーキ丼や20,000円の高級鉄板焼きコースの購入を決定してもらうには、400円の牛丼を売るのとは異なるアプローチを試みなければならない。

第4節 研究目的

Attention(注意)を引く写真は、すでに明らかになった。しかし、買回り品や専門品のように高単価商品を購買(Action)する際に、写真はどのように力を発揮できるのかについては、筆者が調べる限りでは、日本の過去の書籍や論文にも、または海外の論文にも発見することができなかった。
その「高単価商品購買時における写真の与える影響を明らかにする」ことが本論文の研究目的である。

第2章 写真が高単価商品の購買に影響を与える影響

第1節 写真のグループ分け

まず、写真を4つのグループに分けた。
参考例に使用したのは、筆者が(株)鳥末本店様から撮影依頼を受けたときに実際に撮影した写真である。

第1グループ 商品概要

参考イメージ

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第2グループ 作り手の情報

参考イメージ
データ分析 回帰分析 コンジョイント分析

第3グループ 使用イメージ(ストーリーの提供)

参考イメージ
データ分析 回帰分析 コンジョイント分析

第4グループ 付随情報

参考イメージ
データ分析 回帰分析 コンジョイント分析

第2節 検証方法

以上のようにグループ分けを行ったうえで、「どのグループが売上アップに貢献しているのか」を、多変量解析手法の1つである数量化Ⅰ類を使って分析を行った。調査委の写真には引き続き(株)鳥末本店様の写真を使用する。
理由は以下である。

(1)すでに売上が7倍以上になった実績があること
(2) ふるさと納税の商品で、寄附金額が14,000円と高いことから「最寄品」のように勢いで購入決定する人は少なく、「買回り品」、「専門品」に属すること
(3) ふるさと納税は国が返礼率(還元率)を3割以下に統一するように指示を出しているため、商品そのものが持つ価値によるブレが少ないこと

14,000円の商品をお客様が購買決定した要因を明らかにすることができれば、単価が高いことが理由で立ち止まった足を、購買のためにもう一度前に進める要因が明らかになるということである。

第3節 調査概要

4つのグループ(①〜④)に対してそれぞれ番号(1〜4)を付与した。
ただし、商品を売りたいのに【グループ①:商品概要】の写真が1枚もないということは考えづらいため、以下の【①-1】の写真は固定とした。そのうえで、4つのグループから【①-1】に1枚ずつ加えた計5枚の組み合わせを作り
Q.「以下の写真の組み合わせを見て、あなたが『ローストチキンセット』を注文してみたいと感じる程度を1〜7で選択してください。」
という質問に回答してもらった。

データ分析 回帰分析 コンジョイント分析

データ分析 回帰分析 コンジョイント分析

調査概要
写真に対する消費者の印象調査
調査機関:フォト・パートナーズ株式会社
実施期間:2022/08/23〜08/25
サンプル数:240
調査方法:インターネットリサーチ(楽天リサーチ株式会社)
対象者:20代~50代の男女
割付:性×年齢別均等割付

第1項 調査手法に関する補足説明

今回、多変量解析手法の1つである数量化Ⅰ類を使って分析を行ったが、本来行おうとしていたのは「コンジョイント分析」である。

※コンジョイント分析とは
https://www.albert2005.co.jp/knowledge/statistics_analysis/multivariate_analysis/conjoint

今回の調査のためにさまざまな統計の専門家に相談したが、「写真でコンジョイント分析はできない」と答える方、「写真でコンジョイント分析はできる」と答える方に二分された。

「写真でコンジョイント分析はできない」派の言い分

コンジョイント分析というのは、上記URLにあるように、テレビであれば「メーカー」「画面サイズ」「録画機能」「価格」など、車であれば「色」「デザイン」「排気量」「価格」などの要素を分けて、どの要素がもっとも消費者の購買に影響を与えているかを調べるものである。これらをコンジョイントカードに記載し明確に区切るからこそ各属性の効用値が出せるのであって、写真のように1枚の中にさまざまな要素が入っているものは、各要素を明確に線引することができないので、コンジョイント分析はできない。
例えば、以下の③-2の写真は、今回の調査では「使用イメージ」というグループに分類されているが、人によっては「グループ②の作り手の情報とまとめて、人物写真というくくりになるではないか?」と主張するかもしれない。
データ分析 回帰分析 コンジョイント分析

ご指摘のように、あくまで各写真の属性の区切りは、著者が区切ったものであり「この写真は○○の意味もあるのでは?」と言い出したら、それに反論することはできない。
その点、コンジョイントカードの「価格」に関しては、400万円は400万円であり、600万円は600万円である。そこに複数の解釈が介入する余地はない。
「そういう介入する要素で分析するのがコンジョイント分析である」というのが「できない派」の主張である。

「写真でコンジョイント分析はできる」派の言い分

それに対して、「できる派」の方々の言い分は、「それがコンジョイント分析の基本とおっしゃいますが、それでは、例えば車の調査で回答者が『1400cc』と『1600cc』の違いを本当に理解できると思いますか?『70インチ』のテレビと『80インチ』のテレビ大きさの違いを明確にイメージしたうえで回答していると思いますか?」というものである。
それに比べて、写真の情報というのは見た目で違いが明らかであり、回答者に与える情報はコンジョイントカードに比べて相当にリッチ。コンジョイント分析のルールにそのようなルールはないが、写真で比較したほうがより正確に違いが出るのではないか?
というのが「できる派」の主張である。

結論

最終的には折衷案で、コンジョイント分析の思考法をベースとした、多変量解析手法の1つである数量化Ⅰ類を使って分析することとした。

第4節 調査に関する試行錯誤

上記の組み合わせは①-1を固定し、(グループ①〜④)に対してそれぞれ番号(1〜4)を付与するわけだから以下のように81通りの組み合わせとなる。

①-1固定
①-2〜①-4(3通り)×②-1〜②-3(3通り)×③-1〜③-3(3通り)×④-1〜④-3(3通り)
(3×3×3×3=81)

たった81通りなのだから、インターネットリサーチで81通り聞けばよいのでは?と思う人もいるかもしれないが、回答者も81通りも「購入したい度合い」をクリックしていたら、後半の回答が適当になるのは想像できる。
そのような調査で得られた結果に意味はない。

適当に答えられないようにするための方策は質問数(自身が答える数)を少なくするしかない。いわば全体集合から部分集合にして、部分集合に答えてもらい、その部分集合から全体集合の割合を計算で出すという手法である。

直行配列表の作成

そのためには、どの写真をどのような組み合わせで質問すれば、部分集合で調査が成立するのか?
直行配列表を作るしかないのである。

しかし、この直行配列表を作れる人は決して多くない。
詳細は割愛するが、多く方の協力を得て以下のように直行配列表を作成した。

データ分析 回帰分析 コンジョイント分析

この9パターンを作成し、240名に対してインターネットアンケートを行った。

調査注釈①

提示パターンの評価を、順位データではなく段階評価データを採用した。
提示パターンに順位をつけて(今回なら1位~9位)評価してもらう方が、評価の違いがはっきりする。しかし、今回はインターネットアンケート調査なので、時間的な制約で回答者が順位をつけやすいような仕組み(プログラム)の準備ができなかった。加えて、属性1~4の要素を表現した写真の組み合わせを評価してもらうアンケートだった(通常のコンジョイント分析では文字でスペックとかを表示する)。そのため、ひと目で似ている(差が付きにくい)と思う対象者が出現することも想定され、無理に順位をつけさせることの悪影響の発生も想定された。
実際、全て同じ評価を付けた対象者が全体の約3割いた。

調査注釈②

最終的に、7段階評価で個々の提示パターンを評価してもらう方式を採用した。 そのため、例えば、提示P1と3が同じ評価になることは許容とした。

調査注釈③

段階評価の結果を順位の代替データとして使用するケースもよくある方法の1つである。
ただし、今回は、評価差が小さいサンプルが多かったこともあり、後述の回帰式の当てはまり(決定係数R2)が悪なってしまうデメリットが発生した。
そのため、男女別×年齢別(10代刻み)、でデータ化するといった対処を施すことで、決定係数的になんとか許容できる状況に持って行った。

アンケート結果のデータ精度の確認

提示パターンをすべて同じ評価を下した回答者の状況を確認し、分析対象から除外した上で解析を進めた(155sが対象)。

データ分析 回帰分析 コンジョイント分析

※以下のURLの調査と似たような方法となる
https://m-te.com/tips/excel/

データ分析 回帰分析 コンジョイント分析

※①-1は回帰式のY切片に含まれる

エクセルの回帰分析機能を使ってコンジョイント分析的なことを今回実施するにあたって、回帰分析用に採用したデータの考え方

通常は、各サンプル毎に回帰式を算出し、個々のサンプルの結果から分析したいグループを積み上げてコンジョイントの寄与率や部分効用値を求めるのが一般的。
回帰分析は、
データ→データ分析→回帰分析
ただし、各サンプル毎の回帰を行おうとすると、

データ分析 回帰分析 コンジョイント分析

↓(回帰を実施)
例えば、サンプル1の方の場合、係数がおかしな感じになるサンプルも出てくる。

データ分析 回帰分析 コンジョイント分析

この方法を続けていくことに懸念が生じたので、平均値を使って回帰式を解くことにした。
実際に使用したデータは以下の通りである(72データ)

データ分析 回帰分析 コンジョイント分析

データ分析 回帰分析 コンジョイント分析

男性20~30代の回帰分析した際のデータセットは以下の通りである。
(8変数を18のデータを使って回帰分析を行う)。

データ分析 回帰分析 コンジョイント分析

※『重決定R2』の数値は、は正直苦しい数値である点には注意が必要である。

分析結果

上記を前提に回帰分析を実行し、各属性の寄与率と部分効用値を算出。
最終解析実行:男女と20〜30代、40〜50代を掛け合わせた。

データ分析 回帰分析 コンジョイント分析

各属性の寄与率(性年齢別によって状況が違う→※足し合わせて作った上位概念の数値は参考程度で見る→計算上の世界であり、実態を伴っていない可能性もあるため)

データ分析 回帰分析 コンジョイント分析

参考)提示Pの各評価(7段階)、重視する情報内容(3MA)、の結果は以下のとおりである。

データ分析 回帰分析 コンジョイント分析

第5節 各世代の分析結果

■男性20~30代

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■男性40~50代

データ分析 回帰分析 コンジョイント分析

■女性20~30代

データ分析 回帰分析 コンジョイント分析

■女性40~50代

データ分析 回帰分析 コンジョイント分析

 

第6節 小括

以上の結果をもって、購買に与えた影響が最も高いグループは
第2グループ 作り手の情報
第3グループ 使用イメージ(ストーリーの提供)
であると結論づけることができる。

第3章 その他の調査結果

第1節 第3グループに対する注釈

第4章の分析結果で
第3グループ 使用イメージ(ストーリーの提供)
が購買に影響を与えたと結論づけたが、分析結果を見て「第2グループは②-1が+0.34の数値が出ているので、プラスに作用することは理解できる。しかし、第3グループは③-1が0.09の数値が出ているだけではないか」と思った方もいると考えられる。
その方に、「幅(MAX-MIN)」という概念を入れて、なぜ第3グループを評価したかについて注釈を加えたい。

第2節 重回帰分析

実は、この回帰分析に至る前に、以下のような分析を行った。しかし、結論を先に述べるが、この分析は失敗に終わった。
なぜなら「幅(MAX-MIN)」が生まれなかったからである。

第1項 調査概要

ふるさと納税サイトの中に「ランキング」があり、そのランキングを構成する要素は何なのか?「写真」が与える影響という切り口で分析した。

なぜ「ランキング」を使うのか

「ランキング」を基に重回帰分析を行った理由は以下の2点である。
①例えば、
Q.以下の写真の中でどの写真が買いたくなりますか?
と尋ねたところで、Aと答えた回答者が必ずAを買うわけではない。むしろ、買わないことが多いという調査結果もある。

②その点、ランキングは「仮説」ではなく「結果」である。
繰り返すようだが、一連の分析は「どの写真が売上につながるのか?」ということを明らかにするために行われている。
結果から帰納的に「どの写真がランキングを押し上げたか?」を算出することで、どの写真が売上(ふるさと納税なので正確には寄付額)に貢献しているかを明らかにすることができると考えた。

ランキング1位〜50位の商品に対して、2つの分析を行った。
(1)サムネイル画像
文字情報: 「売り」「内容量」「理由」「限定」「情報の個数」
写真技術:コントラスト(書籍P31における「ギャップ」のこと)があるかないか

(2)サムネイル画像に続くその他の画像
他の画像で以下の情報が含まれているか、いないかも分析を行った。
[情報1] 商品概要
商品外観、値段、など

[情報2] 作り手の情報
作り手は誰なのか、作り手がどのように作っているのか、など

[情報3] 主観(あなたの想いや、感想)
商品へのこだわり、オススメのポイント、など

[情報4] 便益(お客様が得られるメリット)
・感情的便益:「リッチな気持ちになれます」など
・機能的便益:「お肌がツヤツヤになります」など

[情報5] 使用イメージ(ストーリーの提供)
実際に人が使用している画像、最適な組み合わせの提案、など

[情報6] 付随情報
梱包方法、配送時の外観、細部の拡大画像、など

[情報7] 第三者評価
商品を買った人の声、受賞歴、など

調査を行ったランキングは「①牛肉カテゴリ」「②蟹カテゴリ」「③米カテゴリ」である。

理由としては、この3カテゴリはふるさと納税で人気で、1位〜50位まで順位(ランキング)がしっかりと付いていた。それ以外のカテゴリは納税数が少ないせいか、1位〜20位までは順位がついても、以下すべて同率21位となっている状況であった。
このようなカテゴリで上位と下位で差を見出すことはできないため、しっかりと1位〜50位までランキングによる差のある「①牛肉カテゴリ」「②蟹カテゴリ」「③米カテゴリ」を抽出した。
以下がランキングと要素分析の画面である。

①牛肉カテゴリ

データ分析 回帰分析 コンジョイント分析

②蟹カテゴリ

データ分析 回帰分析 コンジョイント分析

③米カテゴリ

データ分析 回帰分析 コンジョイント分析

その結果は以下である。

第2項 調査結果

①牛肉カテゴリの計算

データ分析 回帰分析 コンジョイント分析

②牛肉カテゴリの相関係数

データ分析 回帰分析 コンジョイント分析

③蟹カテゴリの計算

データ分析 回帰分析 コンジョイント分析

④蟹カテゴリの相関係数

データ分析 回帰分析 コンジョイント分析

⑤米カテゴリの計算

データ分析 回帰分析 コンジョイント分析

⑥米カテゴリの相関係数

データ分析 回帰分析 コンジョイント分析

第3節 調査の結果

結論をいえば、この調査は失敗であった。
『重決定R2』がそれぞれ
①牛肉カテゴリ(0.4517)
②蟹カテゴリ(0.3162)
③米カテゴリ(0.2397)
と高くないので当てはまりがよいモデルとまでは言えない。
そのうえ、『有意F』『t値』『P-値』も機能しているとは言い難い。

失敗した理由①

牛肉、蟹、米カテゴリ、特に米カテゴリに関しては、白米の写真が主にならざるを得ず、統計的な優位性を見いだせるほど写真そのものに差が生まれない。
強いて言うならば調理法に幅のある牛肉だけは、ある程度意味のある結果が得られた。

失敗した理由②

写真が筆者が撮影したものではなく、「この写真は『使用イメージ』ともいえるし『便益』ともいえるなぁ…」という、撮影意図のわからない写真が多く、強引に『情報1』〜『情報7』に振り分けた。
プロモーションに意図がないため、意図に応じた結果が生まれなかったことは当たり前である。

第4節 小括

この調査による失敗理由を示すことで、第4章をなぜ「幅(MAX-MIN)」で評価し、なぜ第3グループを「購買に与える影響が高い」と判断したかがわかると思う。
考えられる失敗した理由①
で示したように、「米」というのは「差が生まれないこと」ために、プロモーションに与える影響力が少ないことを示した。
良きにつけ悪しきにつけ、「顧客の感情を動かす写真」こそが購買への影響力という観点では評価に値し、「顧客の感情を動かさない写真」は購買への影響力が低いと考えれるのである。

第5節 調査失敗の意味と価値

また、
考えられる失敗した理由②
にぶつかったことから「調査をするならば、全写真を調査側が意図をもって撮影したものではないといけない」ことが明らかになったことから、第2章で使用した写真はすべて
①調査側が明確な意図を持ち
②調査側が意図に準じた方法で撮影した
写真のみを使用してデータ分析を行ったものである。

このような調査が過去、日本の論文でも海外の論文でも行われてこなかった理由は、この部分にあると考える。
つまり、「調査者と撮影者が同一で目的が完全に統一されている」ことは、筆者が調査者でありながら、「意図したことを絵に落とし込める」現役のプロカメラマンであることが、この調査を可能にしたと考える。

第4章 結論

第1節 研究の成果

本データ分析では「消費者が高単価商品において購買(Action)を決定するとき、写真はどのように力を発揮できるのか」について回帰分析の手法を用いて分析してきた。
分析の結果、世代によってバラツキはあるものの、
第2グループ 作り手の情報
第3グループ 使用イメージ(ストーリーの提供)
が消費者決定に大きな影響を与えることを明らかにした。

第2節 研究成果の応用

本データ分析では「写真」というカテゴリにおいて調査を行ったが、「時間」という成約を除けば動画の世界でも
第2グループ 作り手の情報
第3グループ 使用イメージ(ストーリーの提供)
が消費者の高単価商品の購買決定に影響を与えることは推測できる。

第3節 今後の研究課題

今回は14,000円のふるさと納税における返礼品における購買(Action)の決定要因は明らかにしたが、最寄品のような商品分類において
第2グループ 作り手の情報
第3グループ 使用イメージ(ストーリーの提供)
がどのような影響を与えるのかについては触れられていない。
最寄品における2グループの影響力を明らかにすることが今後の研究課題である。

 

謝辞

本分析においては、統計知識の乏しい私に代わって中小企業診断士の中野尊寛さんがデータ分析を行ってくださいました。
心から感謝いたします。
しかし、最終的な調査の設計、またはその解釈に関してはすべて筆者の意思決定によるものであり、上記の考えに間違いがある場合の責任はすべて「フォト・パートナーズ株式会社 代表取締役 石田紀彦」に帰するものである。

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