千葉市動物公園協力会の支援事例
フォト・パートナーズより
千葉市動物公園の中央広場隣に位置するフードコートの写真を変更した事例となります。
「写真が原因で売上が伸びないのでは」とご相談をいただき撮影となりましたが、わかりやすく写真を載せると、以前の「焼きそば」このような感じでした。
それを撮影・編集し、このようにしました。
この焼きそばの写真には、弊社の関連施設である「プロモートスタジオ巣鴨」のブログ内で結果を公表してきたマーケティング調査結果を反映させています。
※背景が黄色の理由→「食欲をそそる色とは」
※目線は45度である理由→「写真の角度に関する仮説」
また、「当たり前過ぎて今まで伝えていなかった価値」をしっかり文字にしています。
つまり、千葉県産キャベツや千葉県産ポークを使用しているならば、それをしっかり文字にしましょうということです。
売上・粗利マトリクス
しかし、ここまでなら、世間一般のカメラマンでも同じことができる人がいるでしょう。
弊社が違うのは、撮影前に先方から販売データをいただき「売上」「粗利率」などを事前に分析した上で撮影している点です。
売上を分析した上でそれぞれの商品をA,B,Cに振り分け、粗利率に関しても同じくa,b,cに振り分けます。
【Aa】は人気もあって粗利率も良いのだから、どんどん売るべき商品。
気をつけなくてはいけないのが【Ac】の商品で「人気はあるけど実は利益に貢献していない商品」。要は薄利多売の商品ということになりますし、弊社がこの区分に該当する商品を撮影した場合、「儲からないけど忙しい」という状況を助長することになります。
逆に【Ca】の商品こそが隠れたダークホースで「今は売れてないけど、売れれば【Aa】のスーパースターになり得る商品」ということになります。
無論、【Ac】ではなく【Ca】を伸ばした方が店舗には良い影響を与えます。
(※集客効果も考慮しなくてはならないので、一概に粗利率が低い商品がまずいわけではありません)
今回は「売上」「粗利率」さらに「1品あたりの粗利額」まで考慮した上で、
【Aa】商品を「スター」
【Ac】商品を「薄利多売型」
【Ca】商品を「未来のスター」
とカテゴライズし、攻めるべき商品を先方と事前に話し合いました。
利益の構造と分析結果の融合
こちらが企業の利益を生む全体像と、写真がその中のどこにインパクトを与えられるのかを明らかにした図です。
要は「メニューの写真により客単価をいかに増やすか」が肝であることがわかります。
上記の知識を活かした上で、提案・撮影させていただいたのがこちらです。
【Aa】の「スター」に位置する焼きそば(450円)の上に、6ケ入で300円のから揚げを3分の1(2ケ)にして100円追加したらどうですか?というご提案です。
焼きそばより、こちらの注文が増えれば客単価が100円アップし続ける、しかも投資コストはなし、という商品です。
さらに「売上・粗利マトリクス」を活かして、数多くの新商品を提案・撮影しました。
こちらには「動物園で生ビール」と書いている通り、お客様に対して新しいストーリーを提案することが主な目的になります。
仮説の実証
さて、上に述べた話はあくまで「そうなるのではないか?」という仮説に過ぎません。
実際売れるかどうかを確認するため、早朝に東京を出て、実際に上記の写真を設置してきました。
撮影してIllustratorでキャッチフレーズまで入れる中小企業診断士というだけで珍しいと思いますが(すべての写真のレイアウト・フレーズは私が作りました)、さらにプラスドライバーを握って設置までしてしまいます(笑)
これは東洋大学の時に教わった藤田雅三先生の影響が大きいです。
というのは、先生にご指導いただいた実習の際、最終的にIllustratorで支援先の商品に貼るシールまで作成したのです。
家で作業しながら「こんなことまでするとは思わなかった」と妻に愚痴ったら、
妻が
「そう? 私はコンサルなんて口だけ出して偉そうにしてるイメージあるから、こうして形にするって良いことだと思うけど」
と言ったのです。
この一言が私の中小企業診断士の方向性を決定づけたと言っても過言ではありません。
とにかく、目に見えない何かではなく、地に足の着いた支援をしよう、と。
というわけで、早朝から設置してきました。
Before
After
Before
After
Before
After
どうでしょう。
これで「以前の方が良かったのでは?」という人はさすがにいないでしょう。
お店全体の雰囲気も変わりましたよね。
売店の女性の方々が「あか抜けた!」と喜んで下さっていたのが何より嬉しかったです。
その後、数時間滞在し、お客さんの様子や注文内容を調べていましたが、出るわ出るわ新商品。
特に【Ca】(未来のスター)が売れる、売れる。
こんな狙い通りにいくと思ってなかったので夢を見ているようでした。
担当の女性から「今までが恥ずかしいです。これが商売をするってことなのですね」と言われました。
この言葉以上の報酬があるでしょうか。
中小企業診断士冥利にもカメラマン冥利にも尽きます。
It’s a new world
“The house is stirring. It is a new day.”
トントントン「お嬢さん、新しい朝ですよ」
“It’s a new world”
「新しい世界よ」ー 映画『恋に落ちたシェイクスピア』より
今まで何本も映画を観てきましたけど、観終わってすぐ2度観たのは過去『恋に落ちたシェイクスピア』と『千と千尋の神隠し』の2本のみ。
それくらい、この映画が好きです。
列に並ぶお客さんを眺めながら、このフレーズが頭に浮かびました。
カメラマンとして、新しいステージに来たな、と。
「今までの努力は間違っていなかった」、そう心で呟いたら東洋大学の2年間とか思い出して涙でました。
この方向に向かって、もっともっと努力していこうと思います。
最後に全景のビフォアアフターを。
Before
After
1枚目の日は雨で、今日は晴天でしたので、その差があるのでしょうが「ヤラセか!」というくらい、わかりやすい写真になってますよね(笑)
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